大鹿村・中央構造線博物館 [地形・地質]
(Google Earthより) 日本の航空写真を見ると、尖った四国の佐田岬から四国北部を通過し紀伊半島を貫く、気になる「線」が見える。大断層である。フォッサマグナはまだ馴染みがあるが(中学で習った?)、中央構造線のことはあまり話題にならなかった。陸地移動のスケールも年代の桁も比較にはならないが、この「線」こそ写真で見える断層帯である。日本列島の現在の住民としては、どちらも同様に気になるのである。
2014年10月、南アルプスと中央アルプスに挟まれた大鹿村・中央構造線博物館に行ってきた。中央構造線断層が垂直になった(横のものが縦になっている!)北川露頭前にて。右が外帯(太平洋側)、左が内帯(日本海側)。
図はWikipediaより。赤が中央構造線、左の青がフォッサマグナの西縁・糸魚川静岡構造線、中央構造線博物館はその交点付近にある。
熊本地震と中央構造線 [地形・地質]
熊本地震の被災者の方々には心からお見舞い申し上げます。
従来、中央構造線の図には九州地方は点線であったり、あまりはっきり描かれていなかったものもあった。繋がっていないのか、あるいは堆積岩や火山灰に厚く覆われていることもあって分かりにくかったのか。朝日新聞の解説記事では、別府-万年山断層帯がそうであるが、今回特に活発に活動した布田川断層帯、日奈久断層帯は別のように見える。
九州だけを見ても南には沖縄トラフや琉球海溝があり、東には南海トラフがあるなど、地震を起こす構造は複雑である。我々の住む日本には活断層が2000あるとのことだし、プレートの沈み込みは続いている。今日、どこで地震が起こっても不思議はないのに予知はできない(阪神・淡路大震災以降「地震予知推進本部」の看板は「地震調査研究推進本部」に替わった)。備えを怠らないことだが、建物の耐震化とか延焼しにくい町づくりなどであろうか。「減災」に努めるしかない。
Wikipediaより。赤色が中央構造線、青色で挟まれた大きなベルトがフォッサマグナ